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~A Rock 'n' Roll Fantasy ~

それはわたしがまだ子供だった頃。
枯葉を踏みながら歩いていると、
おおきなお屋敷があった。
背の高い門は開いていて、
そっと覗き込むと、
アバやノーランズやアラベスクが歌ってた。
<左>{}
魅力的なコーラスに笑顔で迎えられ、
色とりどりに楽しい、素敵なお庭で気ままに遊ぶ。
気がつくと肌寒い夕方。
ホットチョコが飲みたいなぁ。
そう思ったわたしがふと顔を上げると、
目の前には重そうな扉があり、
あけていいのかどうか迷ってると、
中から歌声が聞こえてきた。
そっと扉を叩き、中に入ると、ビリー・ジョエルが「オネスティ」を歌っていた。<左>{}Honesty is such a lonely word<小><色:#999999>真摯とはなんと寂しい言葉だろうEveryone is so untrue<小><色:#999999>あまりにもみな不誠実だからHonesty is hardly ever heard<小><色:#999999>真摯という言葉を耳にするのは難しいAnd mostly what I need from you<小><色:#999999>しかしそれこそが、あなたから欲しいものなのだわたしは驚いた。こんなふうな歌を知らなかったから。歌って、愛だ恋だばっかと思ってたのに。力強く、なにかを噛みしめるかのような声。美しい女性にではなく、苦い人生に思いをはせる歌。わたしはビリーさんの部屋のすみっこに座り、彼のいろんな「聞いたことのない」歌を聴いた。ある日、向かいの部屋を覗くと、白いピアノの前に、美しい男性が座っていた。彼はわたしを一瞥すると、表情を変えずに、「お入り」と一言。ああ、彼はその魅力的に憂鬱な銀の歌声で、次から次へと素晴らしい、「新しい」歌を聞かせてくれた。<左>{}Space OditiyAshes to AshesHeroes Ziggy Stardust長い長い10代の間、デヴィッド・ボウイは黙ってわたしを招き入れた。わたしは彼の歌声に魅了され、彼の音楽を理解しようと鼓舞し、ティーンエイジャーなりの、せいいっぱいの考えを話した。初めて強く「憧れ」たミュージシャン。彼の横顔を見つめては、その感情を読み取ろうとした。館の他の部屋からも、いろんな音楽が聞こえてきた。好きな曲を奏でる部屋にわたしは入り、楽しく過ごした。でもこのお屋敷では、ボウイさんのお部屋が一番だと思ってた。わたしが永遠にとどまる部屋は、彼のエレクトリック・ブルーのお部屋だと思ってた。ところがある日、どこからか違う歌声が聞こえてきた。<左>{}Come Dancing。なんて愛らしくて、楽しげな曲。このかわいい声の人はキンクスというバンドなのね。時折聞こえるその曲とバンド名を、わたしは心にメモした。そしてある日わたしは、キンクスのボーカリスト、レイ・デイヴィスの姿を見た。<左>{}レイ・デイヴィスさんは美しいしぐさでまっすぐこちらに歩いてきた。そして真正面からわたしを見つめ、大きな手を差し伸べると、You Really Got Me と、その甘い声で、しかしはっきりと囁いたのだ。まるで魔法の呪文だった。ずっと耳の奥で、なりやまない魔法なのだ。ボウイさん以上に好きなミュージシャンはいないと思ってたのに。わたしはボウイさんにこの上ない愛と感謝を保ちつつ、レイ・デイヴィスさんのお部屋に入った。お天気のいい日は、お庭でキンクスを聴いた。ご機嫌な日は、キンクスとティー・パーティーを開いた。憂鬱な日は、キンクスを聴いて泣いた。特別な日も、そうでない日も、、わたしはずっとレイ・デイヴィスに夢中だった。そして気がつけば20年。わたしはまだあの呪文の下にいる。いまだにレイ・デイヴィスさんが好きで好きでしょうがない。彼が還暦になっても、強盗に脚を撃たれても、ハゲても、ソロアルバムが延期延期また延期でも、わたしはレイ・デイヴィスさんを慕い続ける。地の果てまでも。虹の向こうでも。永遠に?それともこの先、もっと他に好きな人が出てくるのかしらん?このお屋敷には、もっと魔物のように魅力的なミュージシャンがわたしを待ち構えているのかしら?それともレイが最後なのかしら?音楽の館。ここにいる住人はきら星の数ほど。強く輝き続ける一等星もあれば、あまり人に気付かれない、でもとても魅力的な星も数多い。そのあまたの星々は、きっとそれぞれが誰かのお気に入り。雨宿りする少年少女。毎朝同じバス停に立つお父さんたち。鏡を見なくなってしまった中年女性。公園でひとりため息を付くお年寄り。そんなひとたちにもきっと、一生大好きな音楽があるんだと思う。It's only mucic only Juke Box Musicでもそれはとても大事なもの。みんな、それが聴きたくて、ポケットの中にコインを忍ばせてる。「You can checkout any time you like, but you can never leave! 」 館ですれ違った男から聞かされた、この言葉は真実なのか。わたしは「ホテル・カリフォルニア」のとらわれ人のように、いまだにこの甘美で魅力に満ちた館から、出ることができない。

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